東日本大震災の支援に関連し、日本財団(笹川陽平会長)は3月29日午後、東京港区赤坂の本部で笹川陽平会長が緊急記者会見を行い「日本財団第1次被災者救済策」について発表した。緊急に実施する支援策は〔1〕死者・行方不明者の遺族・親族に対する弔慰金、見舞金の支給。〔2〕漁船等を失った事業者らに対する緊急支援融資制度の新設。〔3〕100万円以下のNPO、ボランティア活動を迅速に支援する――ことなどだ。笹川会長は会見で「今回の東日本大震災では東北地方を中心に約2500ヵ所、広域300キロに亘り、被災者たちが大震災から18日が過ぎた現在も避難所生活を強いられています。家や家族を失い、辛い、悲しい思いをされておられる。更に、被災地では1日毎に、必要とされる課題が変化しています。日本財団に何ができるかを議論した結果、一日一刻でも早く具体的に支援することが大事で取り急ぎ、3つの支援策を実施することに決めました」と語った。
〔1〕死者・行方不明者の遺族・親族に対する弔慰金は1人当たり各5万円を支給、3月29日現在で死者・行方不明者は2万7千人を超えており約15億円の支給となる。支給に当たってはボートレースを施行している自治体の職員らの協力を得て、現地の状況に合わせて対応したいという。
〔2〕漁船等を失った事業者らに対する緊急支援融資制度については新たな船を購入するために北海道・青森・岩手・宮城・福島・茨城・千葉の被災地を対象区域として1事業者当たり1億円以内、融資期間は15年(当初の3年間は返済据置)、無利子で総融資額は100億円を用意する。
〔3〕100万円以下のNPO、ボランティアの活動を迅速に支援にすることとして、1995年の阪神・淡路大震災の経験を踏まえ、被災地の復旧・復興に向けたNPO・ボランティア活動の内、100万円以下の事業に関しては早急な被災地支援が簡単な書類と電話による審査で迅速に対応したいという。 |