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TOP > 競艇 > [ 2015年6月5日 ] 最年長73歳の加藤峻二が引退

競艇記事

最年長73歳の加藤峻二が引退

- 東京都港区の笹川記念会館 -

 その突然の引退表明は衝撃的なニュースとして列島を走った。前日の5月6日まで地元の戸田ボートでGWレース、“第26回ウインビーカップ”に出走していた。最後のレースとなった第2Rも柴田明宏の捲りに乗り5コースからスピード溢れる捲り差しで快勝、通算3294勝目を挙げていた。エース機・34号を手に節間はF・2・3・3・1・2・2・1着の超抜成績。そんな加藤が引退を決意した最大の理由としたのが、シリーズ第一走で犯したフライング(F)だった。このFは加藤にとって99年9月の浜名湖以来、実に15年8か月ぶり、生涯25件目(L16件)の痛恨事だった。「体力的には全く問題はない。しかしあのFはなぜ切ってしまったのか、いまだに信じられない。引退は昨日自宅に帰ってから妻だけに話したが、悔いはないけれど、やっぱりまだ走りたかったという想いはあります」55年10カ月におよぶレーサー人生で犯したFは僅か25件。「出力低減の悪いモーターが続いていて、今回の34号機は伸びが全然違った」とパワーのギャップが大ベテランのスタート勘にズレを生じさせたのだ。引退理由を話す表情はいつもと変わらぬ淡々としていたが、「事故を起こさず走る」ことを身上として来た男には地元戸田でのFは何とも納得がいかなかった。SG優出18回、同優勝4回、G1優勝21回と70年代から90年代にかけてが選手としての全盛期だった。しかし加藤がボート界のレジェンドたり得たのは、他のライバル選手が次々と引退するなか、ただ一人現役レーサーとして輝き続けたから、03年の平和島笹川賞(オールスター)を61歳で優出5着、13年3月には戸田一般戦を71歳で優勝と何れも最年長記録をマークした。最も誇りに思うことはと聞かれ、迷わず「出走回数です」と答えた。1万4652回、これは永遠の不滅の大記録に間違いない。

(写真上) 引退記者会見に臨む加藤峻二選手
(写真下) 77年の住之江第4回笹川賞優勝の頃

[ 2015年6月5日 ]



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