【 コラム colum 】

公営レース賛成派
〜客 席 か ら 本 音 で 語 る 公 営 競 技 〜


公営競技ライター 沢 ともゆき

その七 『情報・メディアをフル活用せよ!(後編)』

 前回は新聞・予想紙など、主に紙媒体メディアのあり方について述べた。簡潔にまとめれば「(ただ番組を掲載するだけでなく)情報に購買欲へとつながるエンターテイメント性を!」ということである。
 そして紙媒体はどちらかといえば「既にレースをやるお客のための」メディアであり、新規客の誘致、そして世間一般に対するイメージづくりのために重要なのは電波(TV、ラジオ)媒体、そして今や恐るべき勢いで普及が進むインターネットであろう。

 今回は電波媒体について考えよう。最も世間に目立つものといえばテレビ、しかも地上波放送だが、現在ではビッグ優勝戦ですら年間で数えるほどしか中継はない。
 メジャーな地上波からは、もはや見捨てられた(金になるCMだけはしっかり流していただいているが)感のある公営競技である。確かに中継放送も重要だが、それよりも世間に対して競技をアピールするためには、いわゆる「オビ番組」が欲しいところだ。
 最近、とある業界人氏と公営競技宣伝についてのお話をさせていただいた折に、やはりTVの件が出たのだが、氏の発案するところによれば「平日夕方16〜17時の、各局が再放送のドラマなどを流しているあの時間帯で、公営競技のオビ番組をできないものか」とのこと。これはかなり鋭いアイデアで、確かにあんなどうでもいい再放送を垂れ流ししているような時間帯は、各局的にも持て余している雰囲気がある。そこに「そこ、買います!」とばかりに公営競技界が一致団結(もちろん金銭的にも)してスポンサーとなり、公営競技バラエティ番組を制作することはできないだろうか? しかも16〜17時といえば、公営競技にとっては、その日の最終レース中継とダイジェストを流せる絶好の時間帯。当初は月〜金、最終的には週末も含め(土日でもその時間帯なら安そうだ)、365日番組としたい。

 私と同じ昭和40年代生まれの諸氏なら思い当たるだろうが、子供の頃、あの時間帯には、例えば『ルパン三世』などをはじめとしたアニメ番組の再放送がローテーションを組んで放映されており、それが我々世代にとっては今だに最もメジャーなアニメとして認識されている。同世代が集まった飲み会でその系統の話になれば大抵「ルパン」の話だ。更に同じ枠では『巨人の星』『侍ジャイアンツ』などもあった。この両作品の存在が「巨人ファン」の子供を増やす一助となったのは明らかだし、オビ番組にはそれだけのパワーがある。
 そして、深夜にもオビ番組が欲しいところだ。中央競馬が昭和40年代後半から他競技を凌ぐようになったきっかけの一つに、あの大橋巨泉氏が『11PM』で大々的に扱ったことが挙げられよう。公営競技界がこれまた一致団結して、深夜にギャンブルを中心とした「オトコのバラエティ番組」を編成するのが理想だ。

 まぁ、アニメならまだしも、「ギャンブル」を毎日流すということになれば、当然のごとく抵抗勢力が発生するだろう。「子供に悪影響!」という例のヤツだ。昨今でも各地で場外開設などのたびに地元住民との軋轢が生じるわけだが、そうした「ギャンブル=悪」という、今となっては時代錯誤はなはだしい偏見も、そろそろ正式に払拭していかないといけない段階である。これは今後のテーマとするつもりだが、こうした「反対派」勢力とのやりとり、ということについても、TV番組をきっかけにすればわかりやすいし、世間へのアピール度も高い。雑誌はじめ他メディアで「公営競技番組に賛否両論! 果たしてギャンブルは悪なのか!?」といったような特集でも組まれればしめたものだ、と思うのだが。もちろんその際には私も「ギャンブル賛成派」側の語り手としてぜひ主張をさせていただきたいものだ。

 そして現在、そんな世間的偏見などとは全く関係なく、ギャンブル専門メディアとして機能しているのがCS放送(スカパー)の各競技専門チャンネルだが、こちらの放送内容は…お寒いと言わざるを得ない。最近でこそ、ビッグレースの際にはタレント(ギャンブル好きな)を呼んでのバラエティっぽい番組を制作する向きもあるようだが、普段はもっぱらレース映像とオッズ、それに専門解説者による少々の解説を延々と流すだけ(それすら無い中継もある)。夜の企画番組もアカ抜けないものが多く、ゴールデンタイムに食卓を囲みつつCSを見たくとも、嫁などに「面白くない」とチャンネルを地上波に戻されてしまう有様だ。せめてもう少し「企画として面白い」番組が作れないものだろうか。レースをやる当人はもちろん、家族ぐるみで楽しめて、競技の普及に役立つような、だ。そのあたりのご相談にはいくらでも乗りますのでご連絡ください。
 だいたい、インターネットでかなりの場が無料レース中継を流している昨今、そんな内容ではCSの存在理由がなくなっちゃいますよ(その点、競艇界はCS、有料ネットライブ、携帯電話とうまく体系的に組み立てていると思う)。

 ともかくTVにおいては、内容規制だらけの「CM」では大した効果は期待できない。今後はその分のお金で「番組」を買うべし。
 バラエティ番組の1コーナーでも構わない。有名なTVタレントが、そしてお茶の間と同列の一般人が、公営レースを楽しんでいる姿を放映することが重要だ。各競技広報担当諸氏、それに広告代理店さんには、公営競技のTV宣伝について再考をお願いしたいと思うのだ。

(2006年9月20日号)


筆者●沢ともゆき プロフィール

昭和40年代前半生まれ。東京下町在住。20代の頃より全公営レースを最大の趣味とし、本業(旅行ガイドブック取材編集)のかたわら全国レース場を渡り歩く。現在は自ら雑誌編集・デザイン事務所を主宰。本年より公営競技ライターとしてデビュー。

『公営レース賛成派』 <http://www.sanseiha.net/>
ご連絡は本誌編集部、もしくはEメール tom@sanseiha.net まで。