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心に残った村上兄弟のお母さんの言葉 6月20日号


  

 「極上の京都特別公開 大富豪の別荘群、驚嘆自然と響き合う匠の技四季を満喫」なるものをNHKでやっていました。終わりがけだったので観たのは2〜3分でした。庭師が100年後を見据えて庭の手入れをし、50〜100年後を見据えて庭の手入れをし、植樹していると言っていました。植樹の後には丁寧に苔を地面に張り付けていました。極端に言えば、地味な苔こそが日本庭園の命ではないでしょうか。

 我が家も年に2回、庭師が入りますが、今年も1回目の庭木の剪定が終わりました。私が掃き残しの枝や葉の掃除をしていると、母親が庭木を指差し「木に悪いと思って幹にびっしり付いていた苔を綺麗に剥ぎ取っておいたから、次はクスノキよ…」と言っていました。
 
 庭師も苔は木に悪影響もなく風情があると思っていたからこそ残していたのだと思うのですが…。さらに私が気にいっていた庭のひとかたまりのフキも無くなっているではありませんか。すると母親が「凄く軟らかくて美味しかったよ」とニコニコ顔。母親は熊本の農家の出で、美意識よりも実用主義に育ったのでしょう。庭も畑も一緒のようです。
 
 競輪も今まさに「極上の京都」ですよね。5月24日、村上義弘、博幸兄弟の祝勝会が京都で行われました。私も出席させていただきました。3月、「日本選手権」では弟博幸の優勝、兄弟でワンツー。4月「共同通信社杯春一番」では兄義弘が優勝。祝勝会の案内はこの2大会の分でした。
 
 しかし案内状を発送後に「SSシリーズ風光る」も弟の博幸が優勝。さかのぼって2月の地元向日町記念でも兄義弘が優勝で兄弟ワンツーを決めて地元だけにはとどまらずに競輪界全体を盛り上げていました。
 
 宴たけなわの壇上では兄義弘が「みんな、合言葉はストップ・ザ・博幸だ」と言って笑いを誘っていました。最後にお母さんが言った「弟の博幸が競輪選手になりたいと言い出したとき、義弘がアイツにやれるかなあ、大丈夫かなと心配していました。義弘は博幸に厳しく指導しましたが、苦しかったのは博幸よりも義弘ではなかったかと思います」が印象的でした。優しさと強い意志を持つ兄弟に育て上げたお母さんあっての、村上兄弟の連係が観られるのです。

(平成22年6月20日号)


  


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