ソチ五輪での日本勢には、これまでの常識を覆すような活躍がありますね。男子フィギュアで日本人として初の頂点に立った羽生結弦選手の美しい演技には感動しました。 これまで世界との差があり日本人男子には金メダルは無理だなと思っていましたが、可愛らしい顔で手足が長くフィギュアスケートのために生まれてきたような身体は、しなやかであり破壊力のある鞭のようでした。 ノルディックスキー・ジャンプの男子ラージヒルで葛西紀明選手が銀メダルに輝きました。7 大会連続出場、冬季五輪の日本選手最年長メダリスト。7 度目で初の個人メダルを14歳で獲得し、正に鉄人です。直前の激し いトレーニングもテレビで見ましたが鬼気迫るも のがあり全てをジャンプに捧げているようでした。他にもこれまで考えられなかったメダル獲得もありましたよね。 競輪界の鉄人は神山雄一郎です。G 1 開幕戦の全日本選抜でも決勝戦進出を果たしました。45歳になりましたが、気力体力共に充実しています。以前、神山の練習に密着取材したことがありますが、上位で活躍したマーク屋の桑木和夫さんの下で練習をしていました。 神山はデビュー後は徹底先行。私もマークしたことがあります。門司記念の決勝戦では残り1周半から逃げて私が差して優勝でした。誰が後だろうと先行拘った走りで、先行から自在に変った頃はタイトルを量産しました。先行で日本一、戦法を変え自在戦でも日本一。
神山は数年前に「今は戦法的には仕上げの段階です。追い込みでも日本一になりたいです」と私に言いました。激しい練習は当然ですが考えぬいた練習をやっていました。
全日本選抜競輪では平原康多の捲りに乗りゴールを目指しましたが残念ながら平原と共に落車しました。平原も斎藤と絡み脚力を消耗しての捲りだったので、 神山後位の浅井にさえ踏み負けなければ、落車さえなかったら差して優勝だったでしょう。なんのスポーツでも若手への感動は当然ですが、ベテランの踏ん張りはそれ以上に感動しますね。 (3月5日号) |
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